獅子のビール 象のビール

ビールはやっぱり日本のビールが一番美味い、と個人的には思うものの、世界には多種多様な数多くのビールがあり、他国の料理を食べる時くらいは、その国のビールを嗜んでみたい。

ということでタイのビール「シンハ」と「チャーン」。


1933年に創業したシンハビールは、タイビールの代名詞的な存在で、日本にあるタイ料理屋で、シンハビールを置いていない店はないんじゃないかと思うほど必ず置いてあるビール。「シン」は、タイ語で「獅子」のこと。「ハ」は、本国では表記のみで発音はされない。老舗であることといい、名前といい、日本のキリンビール的な存在か。
一方、1991年より販売が開始されたチャーンビールは、低価格が人気で売り上げを伸ばし、ついにはシンハビールを抜き去り、タイビール市場でのシェアの50%を越えて業界1位に急成長したビール。「チャーン」は、タイ語で「象」のこと。


双方とも動物の名前を冠したネーミングなのに、「象ビール」だけに違和感を感じずにはいられない。なぜ?と考えると、アルコール飲料には、肉食動物特有の力強いイメージが合うからじゃなかろうか。アルコールで得られる高揚感と、弱肉強食の世界における捕食者の征服感との間に、どこか通じる部分があるような、ないような。『ウサギビール』は、何だか脱力感を感じてしまうけれど、『クロコダイルビール』は、もうすでに南米の方で売ってるんじゃないかと思われるほど違和感がない。ウサギと同じ草食動物でも、『バッファロービール』となると話は別で、違和感を感じない。バッファローのあの力強い雄姿のせいだ。もうテキサスでは水代わりに飲まれてる。以上、個人的なイメージの羅列。


日本だと、お店で出されるビールは冷えていて当然のモノだけど、外国ではそうとは限らず、タイではビールに氷を入れて飲んだりもする。製造の段階から、氷を入れることを前提として味も濃いめに作られている。もっと知りたいことがある方は、良いタイ人に聞くとイイ。良いタイ人とそうじゃないタイ人の見分け方は、頬を叩くべし。叩かれたのと逆の頬を差し出してくるのがキリスト教徒なタイ人で、叩かれたのと同じ頬を差し出してくるのがマゾなタイ人。蹴り返してきたのはキックボクサーだし、みんなで乾杯しようじゃないか。