メガネを求めて1里半・出来事3

「ほーらほーら」を連呼しながらフレームをぐにゃぐにゃ曲げ続ける店員さんの背中にグッドラック。
冷房のきいた店内を出ると、やはり暑い。次なる店に向かう前に、ちょっと水分を補給したい。
あまり歩き回るのもイヤなので、近くにあったゲームセンターに入った。飛び石冷房。


缶コーヒーを買い、店内をウロウロしてみたが、分かるゲームが全然ない。対戦格闘でヴァーチャルな戦いをしているのをボケーっと観戦。
そこへ、ツツツっとサッカーゲームをしていた男子が、席を立って近寄って来た。ニコニコしながら自分がやっていたゲーム台を指差し、こう言う。
「チュルドゥヌン、イーパイタンコウ?(テキトー)」
は?全然分からん。義務教育上で浴びて来なかった言葉だ。先ほど道を聞かれた白人の英語から、コミュニケーションの難易度が一気にステップアップした感がある。
中国の方?それとも韓国かしら?新宿という場所を考えると、韓国の方と見るのが自然か。しかし面立ちは中国人っぽいように見受けられる。なんとなくだけど。
そのサッカーゲーム、ゲームオーバーになっていなかった。どうやら「やりませんか?」ってことらしい。
通じないのは分かっていながら「いいんですか?」なんて言ってみる。向こうは手で「どうぞどうぞ」という仕草をしている。
なぜ譲られたのか分からんし、やったことないゲームだが、むげに断る理由もない。
「そりゃどうも」とか言いつつ、席に座る。どうやら彼は友達数人と来ていたらしく、その友達たちと共に去っていった。その背中にグッドラック。


さてこのサッカーゲーム。世界の国の中から自チームを選択することが出来る。ワールドワイド。
彼が自分の国を選んでいれば、中国人なのか韓国人なのか、判別出来るかもしれない。と思ったら、彼が選んでいたのはブラジルだった。
あの面立ちでブラジル人。なんてファンタジスタ


わーい、今回ウソなしアル!