ウエディングスピーチ・序

しわっす!


知人に、結婚式のスピーチを頼まれた。
とはいえ、僕がその知人の結婚式でスピーチをするわけではなく、その知人の友人が結婚するので、知人がスピーチを頼まれ、そのスピーチの原稿を頼まれた、という次第。スピーチスピーチ書いてたら、スピーチって何だっけ?という気になってきた。甘い果物っぽい。
その知人の友人は、まったくの見ず知らずなので、どんな新婦なのか僕には全然分からない。磨りガラスの向こうにボンヤリ白く見えるのは、多分ウエディングドレスだろうなー、くらいしか分からない。このままだと、
「ウエディングドレスが思っていたよりも白くてお幸せに!」
くらいしか書けません!ってことで、スピーチを考えるためのキーワードが授与されました。

・明るい
・センスが良い
・マメ
・料理が上手いけど、レシピを教えてくれない
・深緑のウィンダム
・声がでかい
・腕が長い

結構難易度高い。
「明るい」とか「センスが良い」「マメ」っていうのは確かに好印象だけど、「こんなことがありました〜」っていう背景的なエピソードもなく、ただ誉め言葉を並べただけでは、説得力に欠けてしまいそう。なのに、これといったエピソードは特にないそうで。「料理が上手」っていう長所も、「レシピを教えてくれない」でプラマイゼロになっちゃった感じだし、『緑色のウィンダム』に乗っていたことを紹介して、義理の両親は「イイ嫁キタ!」と思うのでしょうか。イイ車は来るかもしれないけど。「声がでかい」なんて、どう扱えば良いのやら。
唯一教えてもらった説得力に溢れるエピソードは、よりにもよって「腕が長い」ことについてで、


「学生時代、他のクラスの子が『腕が長い子って誰?』と見学に来た」


そんなエピソードをマイクを通して言われた新婦の両親が愛娘のために流す涙は、感動などとは縁遠い涙になってしまうんだろう。