長崎・出島・玉子焼き

「・・・ほら、ごらん」
「い、いやよ、そんな・・・見れないわ」

「ちゃんと見てごらん。ね、立派なカステラだよ」
「あぁ・・・なんて王道的な長崎土産なの・・・」
「これからゆっくりと、はがすからね」
「そ、そっとね。優しくよ・・・」
「もちろんさ。表面のざら目まではがしてしまうのは、もったいないからね」
「そーっと、ね・・・」
「そーっと・・・そーっと・・・」
「ゆーっくり・・・ゆーっくり・・・」
「・・・ほら、どうだい?キレイにはがれたよ」
「ホント・・・」
「じゃあ次は・・・」
「な、なに?」
「このままじゃ食べにくいからね。切るんだよ」
「そ、それも優しくしてね」
「もちろんさ。せっかくのふわふわなカステラが、潰れてしまうからね」
「そーっと、ね・・・」
「そーっと・・・そーっと・・・」
「ゆーっくり・・・ゆーっくり・・・」
「・・・じゃあ、食べてごらん」
「え、わたし・・・?」
「もちろんさ・・・さあ口を開けて・・・ほら」
「・・・あ、あぁ〜・・・」
「あっ、あっ!」
「甘〜いっ!!」


長崎土産に『カステラ』を頂きました。