虚言パノラマ

 「私の母はマネキンです」
 「私の父は売国奴です」
 「私の飼い犬はミックス・ベジタブルです」
 「私の家はレゴで出来ています」
 「私はあなたの友達です」


昨日は噂に名高いエイプリル・フールでしたが、「嘘をついても良い」という珍妙な設定、日本人にどれほど馴染んでいるのでしょうか。ハロウィンほどではないにせよ、どうしても違和感漂う気がするのは僕だけではないと思いすが、いずれにしても積極的に参加してみないうちは、違和感は拭えないかもしれません。
エイプリル・フールの場合、まず日にちが適していない。日本では新年度の始めだし。出だしから嘘かよ、って。あと手の込んだ嘘をつくよりも、時期的に桜を眺めつつ、お酒でも飲んでる方が良いような気もします。その点バレンタインデーって、絶妙な頃合に設定されてるなと感心しきり。エイプリル・フールも、せめてGWくらいにずらせばイイのに。ゴールデン・フール。黄金馬鹿。何かメデタイ。ついでに1日だけなんてケチ臭いこと言わず、GWの間はずっと嘘つき放題。上塗り上塗りを繰り返してもヨシ。
エイプリル・フール」っていう横文字呼称も、「嘘をついてもイイんだヤッタね!」という実感が感じられない原因となっている気もします。いっそのこと「虚言記念日」とか「虚言感謝の日」とでもすれば良いのに。
「騙される方が悪い」って考え方が、日本人には不向きなのかも、とか民俗学的な見地から考えてみたいと思ったけど、そんな暇はないのが残念です。


まあ結局は、堂々と「嘘ついてもよし」という習慣が定着しても問題ありそうなので、今くらいの微妙な感じが丁度よろしいのではないでしょうか。という、とても波風なく虚しい結論に不時着。