061101

大きな交差点。左手には川。そこでスケッチをしている恰幅の良いおじさんがいる。初老くらいの年齢。僕に気付いたおじさんは、「見なさい。まるでミツバチの巣だ」と言う。筆で指し示した方向には、高層ビル群がそびえている。おじさんがその高層ビル群を見ながら描いている絵には『天狗』がいた。その交差点の近くには、大きなショッピングモールがある。
ショッピングモール内へ移動。全体的にピンクでパステルカラーな色彩。僕はこの配色が苦手なので、頭が痛くなる感じがする。見事なまでにお客がおらず、店員だけがうろちょろしているが、完全に女性向けのショッピングモールにとって僕という存在は客ではないので、話しかけてくる気配はない。自分が消火器になった気がした。
ショッピングモールを出ると駐車場がある。その前には、『○○荘』という名前が相応しい、年代モノの木造建築物がある。古い学生の下宿先のようなその建物の入り口で、数人の男達が黒い箱を運び出し、トラックの荷台に詰め込んでいる。引っ越し作業のようだ。一方駐車場では、運び出されているのと同じような黒い箱の前に友人が座っている。その箱の中には、何枚もの電子回路の基盤がある。「オレ昨日の夜から見張ってるんだ。だって元ヤンキー風な格好をしたホストらしき兄ちゃん達がうろついてるから」と言う。僕は「よく働くなぁ」と感心する。その箱の中の基盤を確認しながら、友人が「あれ?明日提出する基盤が足りないな」と言う。僕が「それならあっちでトラックに積み込んでたよ」と僕が言うと、「それはまずいな」と言って、一緒に移動。「○○さん、それ持って行かれると、まずいんですよ」と友人は男に言う。引っ越し作業の男達は、友人の仕事の取引相手らしい。「あ、そうなんだ。分かった」と言って、箱から小さな基盤を1枚取り出し、友人に手渡す。「良かった」と友人は基盤を手に、駐車場に戻る。僕は再びショッピングモール内へ。
人気がないショッピングモールの宣伝のためにCMが作られる。テレビ番組を収録するような大きなスタジオに、バンドがセッティングされている。その光景を、左斜め上から見下ろす。一番手前にはドラムセットがあるが、そこに座っているのは清水章吾だ。音楽が流れ出すと、1人1人がワンフレーズくらいを歌い、次の人にマイクを渡していく。どこかで見たような古い演出だ、と思っていたら、清水章吾が右手奥にいるキーボ−ドの若い男(これもタレントだった気がする)にマイクを渡す際に、男と清水章吾が同時に喋ってかぶる。さらに男の歌い出しと清水章吾の喋りがかぶる。僕は「グダグダだ」と思う。次にその若い男からマイクを回された若い女性はショッピングモールの店員で、そこそこ有名な格闘家の恋人だが、僕はその子に嫌悪感を抱いている。その子の「私ならもっと有名になれる」という過剰な自信に、根拠がまったく見当たらないからだ。
気が付くと、そのCMの完成版が流れるテレビ画面のフレームの外にいた。