『アイアイ=舌打ち』現象

briki2005-04-01


童謡について調べていたら『アイアイ』に遭遇。チッ!
この童謡、御存知ですか?


 アイアイ アイアイ アイアイ アイアイ おさるさんだよ
 アイアイ アイアイ アイアイ アイアイ 南の島の
 アイアイ アイアイ アイアイ アイアイ しっぽの長い
 アイアイ アイアイ アイアイ アイアイ おさるさんだよ


内容のまったくない歌詞が素晴らしいこの童謡を思い出す度に、僕は反射的に舌打ちしたい衝動にかられる。
この『アイアイ=舌打ち発生』のメカニズムを解き明かすには、僕が幼稚園の頃、現在から二十数年前にまで遡らなくてはならない。
ちなみに音楽的な批判の類いではまったくない。


まだ幼いガス電池少年が通う幼稚園の運動会は、併設された小学校と合同で行われていた。
その運動会の出し物として、幼稚園の年長組は全員でこの『アイアイ』を踊ることになった。
園児達が、サルのお面はもちろんのこと、御丁寧にシッポまで親御さんに作らせ、それを身に付けて踊るというのだ。


 え? それ、本気ですか?


あなたたち大人の考えはまあ分かる。それを見て「まあカワイイ」とか言うのだろう。どうせ写真なんかも撮るのだろう。それはそれで結構。こっちは一方的に養われている身だからそれはやむを得ない。しかし、その思惑通りに踊らされるこっちの身にもなってくれ。
気が遠くなるほどの長い年月をかけて我々はサルから進化したってのに、なんでわざわざサルの振りなんてせにゃならんのか。せめてもっとマシな企画にしてくれまいか、とガス電池少年は心の中で叫んだが、正しい世の中の正しい仕組み通り、この悲痛な叫びはどこにも届かない。
かくして僕はサルになり、津田先生の熱心にして世にもアホらしい指導のもとで、サルの振付けを体に覚え込まされた。
さすがに全部は覚えていないが、歌詞3行目の「アイアイ!アイアイ!」のところの決めポーズはいまだに覚えている。チッ!
このとき不思議だったのは、ほかの園児たちはシッポの引っぱり合いなどをしてそれなりに楽しんでいるように見えたことだ。
まだ幼いガス電池少年は、幼稚園の中心で僕はサルじゃないと叫んでいたのに。さり気なく時代を先取り。
あぁ、なんという悲劇。僕の友達がみんなサルに。そういう自分もサルに。あぁ・・・。


そんな屈辱的な経験が『アイアイ=舌打ち』現象を生み出すのである。
えー、ここテストに出るから赤線を引いておくように。


 追記
津田先生、お元気ですか?おかげで僕はこんなに協調性に欠ける大人になりました。