メガネを求めて1里半・出来事1

僕のメガネ探しの旅は今日も続く。新宿でぷらぷらメガネ屋巡り。
信号待ちでボーっと立っていたら、白人が近付いて来た。Tシャツから伸びた腕が、禍々しい骸骨タトゥーで完全武装されている。
その手に何か持ち、それを僕の眼前へサッと差し出してきた。
む?ドラッグ?さては売人か?白昼堂々、なんて大胆なんだろう。
ドラッグならいらんぞ何故ならそんなモノに頼らなくても僕はいつでもハイになれるからだホラご覧レロ〜ンレロ〜ンレロロロ〜ン。
ハイのハイな勘違い。まあ一瞬でそんなコントを脳内で仕立て上げたものの、白人が差し出したモノは、よく見るとマッチ箱だった。
マッチ売りの白人?なんて脳内コントがまた始まりかけたが、白人はそんなことには気付かず英語シャワーを浴びせて来た。
「ディスポイントイズなんた〜らかんた〜ら」
そのマッチには簡素な地図が描かれていた。どうやら道が知りたいらしい。なんだ。ノーマルタイプ白人か。
そういうことなら、義務教育3年+高校英語3年の、英語教育の成果の見せ場である。
「ディスウェイイズ・・・(目の前の道を指差して)ディスライン!(マッチの地図上を差して)」
「アーハン」
「ザッツコーナーイズ・・・(曲り角を指差して)ターン!レフト!(手首を左にグイ!)」
「オーアイシー」
「ユー!(白人の顔を指差して)アライブゼアー!」
「アイ!(自分の顔を指差して)アライブヒアー!」
「レッツゴー!」
「イェッサー!」
うん。後半ウソ。